共同研究・競争的資金等の研究課題

日韓の森林関連産業に環境問題が与えた影響の比較分析

日本学術振興会  

配分額
(総額)
16,600,000円
(直接経費)
0円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

1996年度:韓国ソウル特別市と仁川直轄市、米国北西海岸地域(1) 産出国の木材輸出規制により日本では特に木材製品輸入が進み、韓国では丸太輸入元の多角化が図られた。日韓の木材製品輸入は製材品や合板に代わり木質ボード類や木質パネルが急増した(2) 日韓ともに森林レクリエーションへの需要が高まった(3) 米国北西部では新たにサーモン保護の動きが出始めた。他方伐採制限により厳しくなった森林関連産業は、伐採が緩和に向かい改善されつつある1997年度:カナダ西部地域、西川・吉野・北山林業地、韓国南部地域、インドネシア東カリマンタン(1) カナダの原木供給は一定水準にあるが良質材が減少した。またBC州では1995年森林施業法施行で水辺保全や道路作設制限、成林義務化による伐採の奥地化・費用高騰で企業の収益性は激減した.(2) 日本の著名な林業地でも従来の林業経営が難しくなり磨き丸太の様な製品差別化や長伐期化の傾向にある(3) 韓国では資源の有効利用と公益的機能の増進のため官民一体事業が展開され、また市民はカエデ樹液や栗・海等林産物を有効利用している。伐採や林道作設へのマスコミ反発が強い(4) インドネシアでは合板輸出を促進してきたAPKINDOの影響力がIMF指導で低下し丸太輸出再開の可能性がある。また森林火災が続き東カリマンタン地域住民にも少なからぬ影響が出ていた1998年度:米国南部地域とニュジーランド(NZ)(1) 米国南部で積極的に造林されたサザンイエローパインが伐期に入り供給が増大している。北西地域の伐採規制・供給減を背景に主な供給先は米国内とカリブ海沿岸地域である。日韓への供給は顕著には増えない見通し(2) NZでも積極的造林政策を背景にラジアータパイン丸太輸出が急増したが、主な輸出先のオーストラリアが木材自給可能となる為に特に中国・東南アジアへの輸出を促進しつつある日韓とも産出国での丸太輸出規制・禁止政策により林産業は衰退の一途であり、森林レク等は需要が増している