共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2000年

糸球体神経核の神経回路特性とその可塑的行動制御のメカニズム

文部科学省  科学研究費補助金(特定領域研究(A))  特定領域研究(A)

課題番号
12053215
体系的課題番号
JP12053215
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,900,000円
(直接経費)
2,900,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

哺乳類を中心とする多くの脊椎動物中枢神経系において、神経核は多くの場合比較的小型の多種の細胞により構成され、構築も複雑である。一方、ある種の硬骨魚類(今回用いたのは主にカワハギ)に存在する「第3型糸球体核」は視覚性の入力を受け視床下部下葉に投射する機能的に興味深い神経核で、構成細胞種が少なく(2種)、明瞭な層状細胞構築を持ち、また巨大な(>60mm)シナプス後樹状突起を含むという形態学的特徴をもち、神経核機能の解析の為の優れたモデル系になる可能性がある。今年度は糸球体核脳スライス標本を用いて神経核機能の解析を行うために、まず,日本医科大学医学部解剖学教室の伊藤博信・山本直之両博士との共同研究により実験系となる硬骨魚類の糸球体核に関する神経解剖学的知見を得た。これを元にして,我々は硬骨魚類糸球体神経核の脳スライス標本を開発した。これを用いて,まず電気生理学的手法により2種の構成細胞及びシナプス伝達の生理学的解析を行った。皮質核から糸球体核への入力線維の刺激に対する樹状突起先端部でのシナプス後電位(PSP)の細胞内記録を行った結果から,大型細胞は皮質核活動の時間的な特徴を抽出する機能があり,小型細胞は皮質核活動の強度(同期性)をコードすると考えられた。また,このシナプス伝達にはNMDA型およびAMPA型のグルタミン酸受容体とGABAA受容体が関わっていることもわかった。次に,巨大シナプス後樹状突起のシナプス後電位活動を単一細胞の分解能で膜電位感受性色素を用いたイメージングにより多点測定することを理化学研究所のKnopfel博士らとの共同研究で行った。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/12053215.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12053215
ID情報
  • 課題番号 : 12053215
  • 体系的課題番号 : JP12053215