共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

都市の暑熱化と強風災害の激甚化に適応するための風環境計画理論の統合・再構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
21H01486
体系的課題番号
JP21H01486
配分額
(総額)
17,420,000円
(直接経費)
13,400,000円
(間接経費)
4,020,000円

1.高層建物が周囲の建物の風圧力に与える影響に関する風洞実験:高層建物が存在することによりその周囲の低層建物が受ける風圧力の増加に関する風洞実験を実施した。建物を立方体でモデル化した街区(以下、理想街区)のグロス建蔽率がそれぞれ11%、25%、44%の場合に、理想街区中に高層建物が1棟建っているケースについて、各ケース72風向についての実験が完了した。グロス建蔽率25%の理想街区については、高層建物が存在することで風下側に位置する低層建物の受ける負側のピーク圧力を定量的に評価した。
2.平常時の風環境のLES:市街地上空と地表付近の空気交換能力を表す指標であるBreathabilityが高く、地表付近における強風発生を抑制する市街地形態についての知見を得るため、単体の高層建物を含む理想街区、市街地全体に高さの非一様性のある理想街区を対象にLESを実施した。高層建物によって移流による鉛直方向の平均運動エネルギーの輸送が増加し通風性能の向上がみられるが、部分的に高風速域も形成されてしまう。これに対して、市街地全体の高さの非一様性は鉛直方向の乱流拡散によるエネルギーの輸送を増加させ、通風性能の向上を図りつつ、高風速域の形成を抑制することが可能であることを示した。また、仙台市内の実在する街区(以降、実街区)を対象としてLESを実施し、高層建物や建物高さの非一様性が与える影響について分析した。
3.WRFによる風況の統計的性状の将来変化:8月の1か月間を対象に、WRFを用いて現代、及び疑似温暖化手法による将来(2050年代)のメソ(地域)スケール気象解析を行い、台風大型化に伴う風速の統計的性状の将来変化を、ワイブル係数を用いて分析した。2050年は、2008年と比較して低風速側で出現頻度が減少し、高風速側の頻度が増加するという結果を得た。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H01486
ID情報
  • 課題番号 : 21H01486
  • 体系的課題番号 : JP21H01486

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