Profile Information

Affiliation
Professor,Dean, Catalysis Research Center, Hokkaido University
教授, 大学院総合化学院分子化学コース触媒反応学講座
Degree
Doctor of Engineering(The University of Tokyo)
Master of Engineering(The University of Tokyo)

Researcher number
80189927
J-GLOBAL ID
200901090151817391
researchmap Member ID
1000016965

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固体触媒の分子設計とバイオマス変換
私達の研究室は,北海道大学の附置研・センターである触媒化学研究センターの物質変換化学研究部門です.この部門は,平成19年の改組で生まれましたが,研究室の源流は触媒研究所(いわゆる触研)時代の酸塩基触媒部門であり,触媒化学研究センターでは触媒設計部門でした.それぞれ,田部浩三先生と市川勝先生という固体触媒の大御所の先生の研究室です.固体酸塩基触媒とシップインボトル合成・新エネルギー変換の研究は,固体触媒の新しい展開と応用を示し,時代を先取りした先駆的な業績でした.
私も先輩たちに続き,このように時代を先取りするような仕事をしたいと思います.そのため,何が新規性・独創性をもつかを日々考えています.原賢二准教授と小林広和助教にはテーマ選定の相談相手になってもらい,さらに研究を実施してもらっています.理学部化学科の協力講座でもあるので,テーマとしては応用より基礎的な研究を行うことを重要視しています.ただ単に高い収率を求めて世界記録競争をすると,人海戦術でくる相手には太刀打ちできません.反応成績だけにこだわるのではなく,反応機構を論理的に考察することを重視しています.
研究室の大きなテーマは,タイトルの左半分に書いたように「固体触媒の分子設計」です.これは,固体触媒の永遠のテーマと言っても過言ではありません.活性点と反応場を分子設計・合成することで,新規の反応を起こすことができれば素晴らしいことです.最近では,触媒反応場としてメソ多孔体の規則性細孔空間に興味をもっています.これは,触媒材料ありきで反応を探索する研究なので,ゼオライトやMOFではできないことをメソで行うことができるかがポイントになります.基礎を重視するとは言いながら,触媒反応としては,少しでも実用性のある反応を行うことを心がけています.燃料電池用水素の選択CO酸化(PROX)をきっかけとして,メソ多孔体が有効な担体になる反応を示していければと思います.
もう一つの大きなテーマはバイオマス変換で,タイトルの右半分にあたります.従って,分子設計した触媒の応用の一つと捉えています.これは反応ありきで触媒材料を探索する研究ですが,きっかけは10年ほど前に遡ります.当時,私は独立の研究グループをもち,環境触媒関連の新しい反応を始めるためにいろいろと勉強していました.その際,奥原教授の総説(T. Okuhara, Chem. Rev., 102, 3641 (2002))にマルトースの加水分解反応が書かれているのを見つけ,糖の反応を行うことを思いつきました(このいきさつから,奥原先生は私のメンターの一人だと思っています).
タイトルに書いた「固体触媒の分子設計と・・・」の「・・・」に入るものを考えるのは楽しいことです.課題解決型から好奇心追求型まで,いろいろな研究をあてはめることができるように思います.

Papers

  345

Misc.

  95

Books and Other Publications

  21

Presentations

  66

Research Projects

  31

Industrial Property Rights

  54

Academic Activities

  1

Social Activities

  2