2017年4月 - 2022年3月
身体性認知科学に基づくものづくり技能の形式知化と技能評価の革新
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究課題の目的は,生体情報を計測することにより,ものづくり技能レベルの評価方法を検討することである.平成30年度の研究では,はんだ付け作業を対象として実験を行い,被験者の技能レベルと作業の有無,作業難易度との関係を導出した.この結果と平成29年度のフライス加工実験結果との比較を行い,人間自身を評価することによる技能評価の可能性を探った.
方法を以下に述べる.被験者は,熟練者4名,中級者7名とした.はんだ付け作業では,熱容量の観点から作業難易度を5段階に設定した.測定する生体情報は,心電図(信号処理により自律神経バランスの指標としてLF/HFを算出)と,前頭前野10箇所の酸素化ヘモグロビン量(思考や判断などの脳賦活化の指標)とした.
LF/HF,酸素化ヘモグロビン量の測定による技能評価の結果は次のとおりである.難易度の設定や作業の性質の違いによって技能レベルと難易度との関係が異なる可能性があることがわかった.具体的には以下のとおりである.はんだ付け作業では,低難度作業時の生体情報(LF/HF,酸素化ヘモグロビン量ともに)に対する高難度作業時の生体情報の比(高難度/低難度)は中級者の方が熟練者よりも大きい傾向があった.一方,平成29年度の研究(フライス加工作業を対象)では,低難度作業時の生体情報(LF/HF,HEG値(脳血流量変化の指標)ともに)に対する高難度作業時の生体情報の比(高難度/低難度)は熟練者の方が中級者よりも大きい傾向があった.このことから,対象とする作業や難易度設定により傾向が異なる可能性はあるが,生体情報により被験者の技能レベルを定量的に評価できる可能性を示した.
方法を以下に述べる.被験者は,熟練者4名,中級者7名とした.はんだ付け作業では,熱容量の観点から作業難易度を5段階に設定した.測定する生体情報は,心電図(信号処理により自律神経バランスの指標としてLF/HFを算出)と,前頭前野10箇所の酸素化ヘモグロビン量(思考や判断などの脳賦活化の指標)とした.
LF/HF,酸素化ヘモグロビン量の測定による技能評価の結果は次のとおりである.難易度の設定や作業の性質の違いによって技能レベルと難易度との関係が異なる可能性があることがわかった.具体的には以下のとおりである.はんだ付け作業では,低難度作業時の生体情報(LF/HF,酸素化ヘモグロビン量ともに)に対する高難度作業時の生体情報の比(高難度/低難度)は中級者の方が熟練者よりも大きい傾向があった.一方,平成29年度の研究(フライス加工作業を対象)では,低難度作業時の生体情報(LF/HF,HEG値(脳血流量変化の指標)ともに)に対する高難度作業時の生体情報の比(高難度/低難度)は熟練者の方が中級者よりも大きい傾向があった.このことから,対象とする作業や難易度設定により傾向が異なる可能性はあるが,生体情報により被験者の技能レベルを定量的に評価できる可能性を示した.
- ID情報
-
- 課題番号 : 17K01068
- 体系的課題番号 : JP17K01068
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
技能科学研究 38(4) 11-15 2022年 査読有り筆頭著者責任著者
-
工学教育 68(1) 69-74 2020年1月 査読有り