1995年 - 1995年
カポジ肉腫における成長因子の発現
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A)
後天性免疫不全症候群(AIDS)の死亡原因のトップであるカポジ肉腫(KS)の発生病理を明らかにするために、株化細胞での実験で関与の指摘されている増殖因子、オンコスタチンM(OSM)のmRNA発現をreverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)により、また蛋白発現をpolyclonal antibodyを用い免疫組織科学的に検索した。
米国のAIDS患者のカポジ肉腫(AIDS-KS)、18例、日米の古典的カポジ肉腫(classic KS)、17例のパラフィン切片を用いた。
RT-PCRは抽出したmRNAからcDNAを合成後、イントロン1をはさんだエクソン1-2の155-383nt,229bpを増幅した。その結果、全例でOSM mRNAの発現が観察された。
さらにパラフィン切片を抗OSM抗体により染色した。その結果、腫瘍細胞に一致した陽性所見を得た。
以上の結果より、AIDS-KS、classic KSとも腫瘍細胞自体がOSMを産生していると考えられ、autocrine mechanismが働いていることが推察された。この結果は平成7年の新潟三木会の特別講演で発表した。
さらに上記の研究中、KSの中に、ヘルペスウイルス類似のDNAシークエンスが存在することが発表された。上記の材料を用い、検索したところAIDS-KSの16/18(89%),classic KSの8/17(47%)で陽性所見が得られた。この結果は平成8年の日本皮膚科学会総会で発表の予定である。
米国のAIDS患者のカポジ肉腫(AIDS-KS)、18例、日米の古典的カポジ肉腫(classic KS)、17例のパラフィン切片を用いた。
RT-PCRは抽出したmRNAからcDNAを合成後、イントロン1をはさんだエクソン1-2の155-383nt,229bpを増幅した。その結果、全例でOSM mRNAの発現が観察された。
さらにパラフィン切片を抗OSM抗体により染色した。その結果、腫瘍細胞に一致した陽性所見を得た。
以上の結果より、AIDS-KS、classic KSとも腫瘍細胞自体がOSMを産生していると考えられ、autocrine mechanismが働いていることが推察された。この結果は平成7年の新潟三木会の特別講演で発表した。
さらに上記の研究中、KSの中に、ヘルペスウイルス類似のDNAシークエンスが存在することが発表された。上記の材料を用い、検索したところAIDS-KSの16/18(89%),classic KSの8/17(47%)で陽性所見が得られた。この結果は平成8年の日本皮膚科学会総会で発表の予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 07770652
- 体系的課題番号 : JP07770652