論文

査読有り
2003年9月28日

TNF レセプター1型および2型遺伝子多型と広汎性侵襲性歯周炎の関連性について

日本歯周病学会会誌
  • 島田 靖子
  • ,
  • 田井 秀明
  • ,
  • 遠藤 基広
  • ,
  • 小林 哲夫
  • ,
  • 山崎 和久
  • ,
  • 吉江 弘正

45
3
開始ページ
267
終了ページ
278
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.2329/perio.45.267
出版者・発行元
JAPANESE SOCIETY OF PERIODONTOLOGY

歯周炎は多因子疾患の一つと考えられ, なかでも侵襲性 (早期発症型) 歯周炎の疾患感受性には遺伝子多型の関与が示唆されている。一方で, 歯周炎局所でTNFαのシグナル伝達・調節機能を担うTNFレセプター (TNFR) の機能についても着目されている。そこで今回, 日本人におけるTNFRの遺伝子多型と侵襲性歯周炎との関連性について検討した。<BR>インフォームドコンセントを得た日本人広汎性侵襲性歯周炎患者45名および年齢を適合させた健常者100名を対象とした。5カ所の遺伝子多型はそれぞれTNFR2 (VNTR) はPCR法, TNFR1 (-383; A/C), (+36; A/G), TNFR2 (+587; T/G) はPCR-RFLP法, TNFR2 (+694; G/A) はPCR-SSCP法にて検出した。統計学的解析はカイ2乗検定, フィッシャーの直接確率法, 同等性のΔ検定とさらにMante1-Haensze1法による補正を行った。<BR>その結果, TNFR1 (-383) ではCアレルの頻度が患者群に有意に低いことを認めた。さらに患者群と健常者群では, 3カ所のTNFR2アレル頻度に同等性が認められ, 交絡因子で補正後もTNFR2 (+587) および (VNTR) には同等性が有意に認められた。<BR>以上の結果より, 広汎性侵襲性歯周炎にはTNFR1 (-383) 遺伝子多型が関連する一方で, TNFR2 (+587), (VNTR) には関連性が乏しい可能性が示唆された。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.2329/perio.45.267
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130001478334
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN0019129X
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/00232196564?from=CiNii
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2004084380
ID情報
  • DOI : 10.2329/perio.45.267
  • ISSN : 0385-0110
  • CiNii Articles ID : 130001478334
  • CiNii Books ID : AN0019129X

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