論文

1997年7月

最近1年間における新潟県での口唇裂口蓋裂の発生状況

日本口蓋裂学会雑誌
  • 小野 和宏
  • ,
  • 大橋 靖
  • ,
  • 高木 律男
  • ,
  • 永田 昌毅
  • ,
  • 飯田 明彦
  • ,
  • 今井 信行
  • ,
  • 神成 庸二
  • ,
  • 早津 誠

22
3
開始ページ
138
終了ページ
143
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11224/cleftpalate1976.22.3_138
出版者・発行元
日口蓋誌

口唇裂口蓋裂は発生頻度の高い先天奇形の一つであり,遺伝的要因と環境因子の相互作用により生じると言われている.その発生率については従来から数多くの報告がなされてきたが,最近では大きな母集団を対象とした報告は少ない.一方,近年,わが国の社会環境の変化は著しく,出産の高齢化など様々な要因により発生率に変化が生じていることも考えられる.そこで今回,1994年11月から1995年10月までの1年間における口唇裂口蓋裂の出生状況について,新潟県の産科医療機関を対象としてアンケート調査を行った.<BR>集計し得た出生総数は20566名で,そのうち口唇裂口蓋裂は36名あり,発生率は0.175%であった.裂型別では,口唇裂13名,唇顎口蓋裂15名,口蓋裂8名で,唇顎口蓋裂が最も多く,以下,口唇裂,口蓋裂の順であった.破裂側は,口唇裂では片側性11名,両側性2名,唇顎口蓋裂では片側性11名,両側性4名で,ともに圧倒的に片側性が多かった.性別は男児17名,女児19名で,裂型別にみると,口唇裂では男児6名,女児7名でほぼ同数,唇顎口蓋裂では男児10名,女児5名で男に多く,口蓋裂では男児1名,女児7名で女に多かった.合併奇形は36名中9名に認められ,合併率は25.0%であった.合併した奇形の種類は,Pierre-Robin症候群,Opitz症候群,Down症候群,18トリソミー,脳,頭蓋の奇形,心奇形,四肢の奇形,耳介の奇形などがみられた.<BR>口唇裂口蓋裂の発生状況は,従来の報告と特に変わりは認められなかった.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11224/cleftpalate1976.22.3_138
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130004988371
ID情報
  • DOI : 10.11224/cleftpalate1976.22.3_138
  • ISSN : 0386-5185
  • 医中誌Web ID : 1998007975
  • CiNii Articles ID : 130004988371
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000283676398

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