MISC

2017年12月

基底細胞母斑症候群をともなう患者の矯正歯科治療例

新潟歯学会雑誌
  • 渡邉 直子
  • ,
  • 三上 俊彦
  • ,
  • 小林 正治
  • ,
  • 齋藤 功

47
2
開始ページ
87
終了ページ
95
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
新潟歯学会

基底細胞母斑症候群NNevoid Basal Cell Carcinoma Syndromeは、GorlinとGoltzによって体系づけられた常染色体優性遺伝性疾患で、主に皮膚の多発性基底細胞母斑、基底細胞癌、顎骨の多発性角化嚢胞や、種々の骨格系統の異常を呈する症候群であるが、特に口腔領域では10代に多発する顎骨嚢胞が特徴的な疾患である。今回、複数の顎骨嚢胞、特に第二大臼歯の歯冠を含む巨大な含歯性嚢胞を有した症例に対し、10歳2ヵ月より16歳10ヵ月まで長期に渡って管理し、開窓術及び埋伏歯の矯正による牽引誘導を行うことで、嚢胞の縮小と良好な骨成長および咬合状態を得ることができた症例を経験したので、その治療経過と結果について報告する。また、巨大な含歯性嚢胞の埋状歯牽引の必要性について、その効果と限界について考察するとともに、基底細胞母斑症候群の患者に対する矯正治療の適応について考察した。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0385-0153
  • 医中誌Web ID : 2018138282

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