2018年12月
顎矯正手術を行ったビスフォスフォネートを内服する顎変形症の1例
新潟歯学会雑誌
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- 巻
- 48
- 号
- 2
- 開始ページ
- 91
- 終了ページ
- 96
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 新潟歯学会
ビスフォスフォネート(BP)製剤関連顎骨壊死(BRONJ)は広く認知されるようになってきたが、BPの投与を受ける患者に対して顎矯正手術を行った報告は少ない。今回われわれは、BPを内服する患者に対して顎矯正手術を行ったので報告する。患者は16歳男性で不正咬合を主訴に当科を受診した。骨格性下顎前突症の診断となり、顎矯正手術を計画したが、術前矯正治療終了後に多発性硬化症の診断に至り、ステロイドの内服治療が開始され、ステロイド性骨粗鬆症の予防のためにBPの内服も開始された。治療により多発性硬化症の症状の出現はなく、ステロイドは減量されていった。19歳時に、BPを6ヵ月間休薬し、Le Fort I型骨切り術と下顎枝矢状分割法による顎矯正手術を行って、9ヵ月後にプレート除去を行い、BPを再開した。周術期は感染に留意し、BRONJの発症はなかった。顎矯正手術後2年が経過した現在も経過観察中であるが、異常経過は認めていない。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0385-0153
- 医中誌Web ID : 2019157241