共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

三叉神経神経障害性疼痛の中枢性感作-infra-slowオシレーションの変調-

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K09821
体系的課題番号
JP18K09821
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究は、口腔顔面領域の神経が障害を受けることによって生じる神経障害疼痛が、慢性化して、脳で痛みを増幅する中枢性感作の機構解明をテーマにしている。その方法としてMRIを用いて、1)口腔顔面の三叉神経の神経MRI、2)安静時の脳の各部位の同期した活動性の検索により、視床と脳部位の機能的連動の計測、3)痛みに関連する脳部位、視床と前帯状回の脳代謝産物をMRスペクトロスコピーで計測して、興奮性ニューロンの活動性を評価しようと試みている。
この背景には、慢性疼痛は脳での痛みに関連した部位が正常とは異なる活動を示すことが考えられる。脳の特定の回路が増強すること、すなわち可塑性の異常な変化が痛みを増幅する中枢性感作が重要な役割を果たしている。三叉神経が伝える体性感覚情報の中継点である視床からは、大脳皮質への神経投射をしている。さらに関連した情報誌処理を行う神経群は同期した神経活動を示すことが知られている。この神経活動の同期は様々な周波数帯で観測することができ、特に0.1Hz以下のInfra-slow oscillationは視床が起源となる同期波とされている。 Infra-slow oscillationは機能的MRIで計測することができる。また、同期の背景にグルタミン酸作動性ニューロンの過剰興奮が推測されることから生体での脳のグルタミン酸などの代謝産物をMRスペクトロスコピーで計測する。
初年度はこれらのデータ取得方法を確立し、口腔顔面領域の慢性の神経障害性疼痛患者のデータ取得を開始した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K09821
ID情報
  • 課題番号 : 18K09821
  • 体系的課題番号 : JP18K09821