基本情報

所属
岐阜大学 医学系研究科 医科学専攻 分子・構造学講座 細胞情報学分野 教授
医学系研究科 教授
学位
医学博士(岐阜大学)

J-GLOBAL ID
200901095248497091
researchmap会員ID
1000022052

酸化ストレスとアンチエイジング/活性酸素種ROS(reactive oxygen species)は健康障害、老化促進の黒幕のひとつであるが、細胞内での詳細な産生メカニズムについては議論百出の状況である。そのメカニズムを追求しつつ、ROS消去系を増強する物質、システムの探索を行っている。/細胞生・死のシグナル伝達メカニズム/アポトーシスによる細胞死は個体の発生・分化や各種病態の形成に深く関与することが明らかにされてきました。しかし、FasやTNF-αが細胞外のアポトーシス誘発分子として同定されたのに対して、細胞内の情報伝達メカニズムには不明な点が多く残されています。ガン抑制遺伝子p53と活性酸素種(ROS)がどのようにアポトーシスを誘導しているかについての解析を中心に研究を行っています。また生存シグナル系で重要視されているAktキナーゼ活性化にどのように関与しているかを解析しています。/神経細胞の死と分化メカニズム/アルツハイマー病に代表される痴呆症などの神経変性疾患や血管障害による神経細胞障害は、ミレニアムプロジェクトで提唱された「生き生きとした高齢化社会を目指す」というスローガンに対しては、大きな障害となっています。これらの疾患に対する予防・治療法の開発は社会的、経済的にも重要な課題であり、世界的にも要請が多い研究課題あり、特に世界に例を見ない急速な高齢化が進行している我が国が、緊急に取り組むべき課題であると考えます。そこで、神経細胞死実効に関わるシグナル分子をゲノムワイドに体系的に解析して、神経細胞死制御の分子メカニズムを明らかにし、それをコントロールし得る分子の探索を通して、神経細胞障害の予防や神経修復・再生に向けた創薬・新規治療法の開発の基盤を創出することを目的とした研究を行っています。/がん細胞死の基礎的研究/本来、異常を起こした細胞はアポトーシスという細胞死のプログラムが働き排除されますが、ガン細胞はアポトーシスメカニズムに異常を起こした細胞と考えられています。したがって、細胞の生・死のメカニズムを明らかにすることにより、一方では日本人の死因のトップとなったガンの治療に有用な知見を与える基礎研究となることを目指して研究しています。/アルコールの健康障害とその予防/飲酒により体内に入ったアルコール(エチルアルコール)は最終的には二酸化炭素と水に代謝されるが、その過程でアセトアルデヒドが生じます。日本人も含めてアジア人(モンゴロイド)の約半数ではアセトアルデヒド代謝酵素のSNPs(一塩基多型)のために、アセトアルデヒドが体内に蓄積しやすく、顔面の紅潮、吐き気、頭痛、脈拍数の上昇などフラッシング症状を引き起します。また、酸化力が極めて強いアセトアルデヒドは細胞毒あるいはDNA障害を引き起こす物質として知られており、アセトアルデヒド代謝能が低い人は飲酒により神経変性疾患やがんのリスクが著しく上昇することが2000年以降多数の研究論文で報告されています。また、2005年8月16日発行のThe Wall Street Journalでもこの問題は”Asian Flash”として大きく取り上げられています。したがって、日本人を含めたアジア人のアルコール代謝経路の詳細を明らかにし、さらにアセトアルデヒド代謝を促進する物質の探索を目指して、研究を行っています。

受賞

  1

論文

  143

MISC

  203

書籍等出版物

  14

共同研究・競争的資金等の研究課題

  31

社会貢献活動

  31

その他

  17