2007年2月
遅延される戦闘シーン——映画版『トリストラム・シャンディ』について
『岐阜大学地域科学部研究報告』
- 巻
- 20
- 号
- 20
- 開始ページ
- 69
- 終了ページ
- 84
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 岐阜大学
『ウェルカム・トゥ・サラエボ』(1997)で知られるマイケル・ウィンターボトム監督による映画版『トリストラム・シャンディ』(2005)は、原作そのものの映像化というより、原作の映画版を製作する俳優や監督の裏話を滑稽に描いた映画であるが、一見原作とは無関係に見える俳優たちの現実を描いた場面に、ひねった形で原作の挿話が映像化されている。この論文では、虚構と現実との境目の曖昧さに敏感な監督が、読者の反応を取り込んで外部の現実にまで増殖し続ける原作小説の特徴を、いかに的確に映像化しているかを考察した。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1342-8268
- CiNii Articles ID : 110006460923
- CiNii Books ID : AA11187587