Profile Information

Affiliation
Faculty of Engineering, Gifu University
准教授, 工学研究科
Degree
(BLANK)

J-GLOBAL ID
200901098867493440
researchmap Member ID
1000022500

Diels-Alder反応におけるπ面選択性の軌道制御/本研究は、経験と試行錯誤による有機化学を脱して、軌道理論に基礎をおいて化学反応を設計し、さらに、強力な理論的数値計算を利用した高効率的な有機化学の研究システムを提案することを目指したものである。モデルとして、高次炭素骨格構築法として最も重要なDiels-Alder反応に注目し、5位置換シクロペンタジエンのDiels-Alder反応における面選択性の軌道制御について研究を展開している。まず置換基として酸素族ヘテロ原子置換基を有する一連のシクロペンタジエン誘導体を合成し、π面選択性が軌道混合則で予測できるフロンティア軌道の非対称性に依存していること、また、n軌道のエネルギーが十分に高いときはn-HOMOが反応に関与しうることを予測し実証した。ヘテロ原子置換基に換えてπ軌道を有する炭素原子置換基を5位に有するシクロペンタジエン誘導体でも面選択性が理論的に予測、制御できることをはじめて提案した。すなわち、5位置換基としてカルボキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基を有するシクロペンタジエン誘導体が、立体障害に反して置換基側からの反応が期待できることを予測し、ペンタメチル誘導体で実証した。さらに、フロンティア軌道の変形に5位置換基のπ軌道もしくはπ*軌道が関与してπ面選択性が決まることを予測し、5位にホルミル、ビニル、ヒドロキシイミノ基を有する一連のシクロペンタジエン誘導体のDiels-Alderにおける面選択性を通して実証した。また、5位に(C=O)YR型の置換基を有するシクロペンタジエンではYRのn軌道のエネルギーで面選択性が決まることを予測し実証した。さらに、以上の成果をもとに反立体障害的反応が期待できるジエンとして5-(2-オキサゾリニル)シクロペンタジエンをあらたに設計し、ペンタメチル誘導体で実証した。また、反応性が高いほど選択性が高くなることを理論的に予測しDiels-Alder反応の面選択性を通して実証した。

Papers

  62

Misc.

  59

Books and Other Publications

  4

Professional Memberships

  3

Research Projects

  3