1993年4月 - 1994年3月
近藤絶縁体の理論
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究
- 配分額
-
- (総額)
- 900,000円
- (直接経費)
- 900,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
最近、Ce_3Bi_4Pt_3に代表される近藤絶縁体と呼ばれる新しい物質群が注目を集めている。本研究では、近藤絶縁体を格子アンダーソン模型を用いて理論的に調べた。本研究代表者はこれまでの研究で、この模型を軌道縮重度Nが大きな極限でもサイト間相関効果が十分に取り込める形に修正して、N→∞の極限で局所拘束条件を満たす厳密な1粒子グリーン関数を与える自己無撞着積分方程式を導き、この方程式を数値的に解くことにより重い電子系の振舞いを全温度領域で統一的に記述した(Y.Ono et al.:J.Phys.Soc.Jpn.60(1991)3475)。この自己無撞着積分方程式を近藤絶縁体を導くパラメータ領域に対して数値的に解くことにより、以下の結果を得た。
1.伝導電子とf電子の総数がユニットセルあたり2個(一般には偶数)の時、この系は近藤絶縁体として振る舞う。
2.高温T>E_0では、電気抵抗の対数温度依存性や帯磁率のキュリーワイス則など、近藤効果の特徴を示す。ここで、E_0はスレーブボソンの共鳴準位
1.伝導電子とf電子の総数がユニットセルあたり2個(一般には偶数)の時、この系は近藤絶縁体として振る舞う。
2.高温T>E_0では、電気抵抗の対数温度依存性や帯磁率のキュリーワイス則など、近藤効果の特徴を示す。ここで、E_0はスレーブボソンの共鳴準位