Research Projects

Apr, 2005 - Mar, 2007

コバルト酸化物の電子状態と超伝導の理論

文部科学省  科学研究費助成事業  特定領域研究

Grant amount
(Total)
2,100,000 Japanese Yen
(Direct funding)
2,100,000 Japanese Yen
(Indirect funding)
0 Japanese Yen
Grant type
Competitive

Na_xCoO_2・yH_2Oにおける超伝導の発見を契機に、その母物質Nax_CoO_2の電子状態が精力的に研究され、顕著なドーピング依存性が明らかにされつつある。特にx=0.5では、Naの1次元整列のもとで、面内反強磁性(T_<c1>-=87K)と金属絶縁体転移(T_<c2>=53K)の興味ある2段転移を示すが、後者の起源については未だ明らかにされていない。そこで本研究では、2次元三角格子11バンドd-p模型を用いて層状コバルト酸化物Na_<0.5>CoO_2のCoO_2面の電子状態を調べた。Tight-bindingのパラメータはSinghのLDAバンド計算の結果を再現するように決め、Coサイトのクーロン相互作用は、軌道内及び軌道間の直接項U,U'、交換相互作用J、及びペアトランスファーJ'をHartree-Fock近似の範囲内で考慮した。さらに、x=0.5で起こるNaイオンの1次元整列の効果を、CoO_2面におけるCoの原子準位の変化として取り入れた。Naの1次元整列の効果によってフェルミ面のネスティングが増加し、フラストレーションが解消され反強磁性が出現することを明