2011年4月 - 2014年3月
鉄系高温超伝導の発現機構と対称性
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
- 配分額
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- (総額)
- 3,900,000円
- (直接経費)
- 2,730,000円
- (間接経費)
- 1,170,000円
- 資金種別
- 競争的資金
鉄系高温超伝導体の超伝導機構として、これまで反強磁性揺らぎを媒介とするs±波超伝導と軌道揺らぎを媒介とするs++波超伝導が提案されており、論争が続いている。どちらの超伝導が実現しているかを解明するには、従来の研究で用いられてきたRPAを超えて相関効果をより正確に取り扱う必要がある。本研究では局所相関と空間相関を共に十分に考慮し、且つ複雑な格子模型にも適用可能な量子多体計算手法を開発する。得られた手法を鉄系超伝導体の基本模型(多軌道ハバード(d-p)ホルスタイン模型)に適用し、超伝導の発現機構と対称性を解明する。特に、電子相関と軌道-格子相関の協力効果によって増強される軌道揺らぎを媒介とする新しい超伝導機構の可能性を検証する。その際、各物質を記述する低エネルギー有効模型を第一原理計算に基づいて導出し、磁気秩序、軌道秩序、構造転移の相図や超伝導転移温度Tcの物質依存性を説明する。