2018年3月31日
社会的排除が他者とペットの温かさの評定に及ぼす影響ー否定的評価懸念の水準による相違に注目してー
対人社会心理学研究
- ,
- 巻
- 号
- 18
- 開始ページ
- 145
- 終了ページ
- 154
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.18910/70552
- 出版者・発行元
- 大阪大学大学院 人間科学研究科 対人社会心理学研究室
資料人は社会的に排除されると、所属欲求を再充足するために、新たな社会的つながりを構築しようとすると考えられている。ところが、近年、否定的評価への懸念(FNE)が高い者は、再び排除されることを恐れ、そのような反応を示さないことが明らかにされてきた。そこで本研究では、他者から否定的に評価される可能性の低い状況では、高FNE者においても、被排除後に所属欲求を再充足しようとする動機が活性化する可能性について検討した。大学生(N=70)を対象に実験を行い、排除操作の後に、人物とペットの写真を呈示し、それらの温かさを評定するよう求めた。その結果、排除操作により、参加者のFNEの高低と対象の種類に関わりなく、温かさが高く評定されるようになることが示された。この結果は、対象との相互作用が予期されず否定的評価に対する恐れが影響しにくい状況では、高FNE者においても所属欲求の充足が優先され、他者とペットに対して向社会的な性質を帰属する機能的投影が生起したことを示唆する。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.18910/70552
- ISSN : 1346-2857
- CiNii Articles ID : 120006510403
- CiNii Books ID : AA11550166