2020年7月
【人工真皮・培養表皮 どう使う、どう生かす】創内持続陰圧洗浄療法(IW-CONPIT)と人工真皮の併用療法
PEPARS
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- 巻
- 号
- 163
- 開始ページ
- 62
- 終了ページ
- 67
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)全日本病院出版会
我々は、以前より局所陰圧閉鎖療法に持続洗浄療法を組み合わせた治療法、創内持続陰圧洗浄療法を開発し、感染創の早期治癒を可能としてきた。今回の目的は、腸管や大血管などの重要臓器が露出した感染創、骨や腱などが露出し植皮や肉芽形成が困難な開放創を、人工真皮を併用することで効率的に治癒させることにある。実際の方法としては、まず可及的に感染創や壊死組織のデブリードマンを行う。次に重要臓器や骨・腱が露出している部位に人工真皮を貼付し、創内持続陰圧洗浄療法を行い、感染が沈静化し肉芽が十分に形成された段階で、植皮や筋弁などの移植術を行う。重度感染創の治療では、入院期間の延長や労働力の増加など医療システム上の深刻な問題点が存在するが、本法はこれらの問題点を大幅に軽減した。本法には人工物の種類やデブリードマンできない壊死組織の遺残などによる限界はあるものの、従来の方法では極めて難治であった重度感染創の早期治癒を可能とした。本法は、患者および医療従事者の双方にとって非常に合理的で有用な方法と考えられる。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1349-645X
- 医中誌Web ID : U728150008
- CiNii Articles ID : 40022319684
- CiNii Books ID : AA12002133