共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2002年

HPLCの高速化と高性能化のためのキャピラリー型シリカ連続体カラムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
12554032
体系的課題番号
JP12554032
配分額
(総額)
11,600,000円
(直接経費)
11,600,000円

HPLCの高速化と高性能化を目的として、シリカキャピラリー中でゾル-ゲル法による網目状シリカ連続体の調製を行い、(1)超高性能(高理論段数)モノリス型シリカの調製、(2)高速分離を可能とする小さな網目構造をもつシリカ連続体の調製、(3)シリカ連続体カラムにおけるバンド拡がりの要素の検討、ならびに(4)キャピラリー型シリカ連続体カラムの実際的なサンプルへの適用を行った。
1.内径100μm、長さ250cmのキャピラリーモノリス型シリカカラムは、t_0=1000秒で、20万-30万段の理論段数を示した。
2.流路サイズ約1.5μm、骨格サイズ約0.8μmのシリカ連続体は、t_0=15秒で、10000段の理論段数を与えた。
3.モノリス型シリカカラムにおけるバンド拡がりは、ドメインサイズの大きな場合とくに、粒子充填型カラムと比較してA項(移動相における流れと拡散の速度の効果)に支配される割合が大きいが、ドメインサイズの小さな場合、粒子充填型カラムと同様に、骨格中での拡散の遅さが最も大きな寄与をすることが示された。
4.キャピラリー中のモノリス型シリカカラム(とくにハイブリッド型)は、塩基性物質や平面的な構造の物質を含む広い範囲の試料に対して、高い性能を示した。
結論として、総合的な性能(圧力あたり、時間あたりの理論段数)において、粒子充填型HPLCカラムより2-10倍高い性能をもたらすシリカ連続体を50-250ミクロンのキャピラリー中に調製する方法を開発した。また、逆相クロマトグラフィーにおいて、広い範囲のサンプルに適用できることを実証した。実用化に近いと考えられる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12554032
ID情報
  • 課題番号 : 12554032
  • 体系的課題番号 : JP12554032