共同研究・競争的資金等の研究課題

2009年 - 2010年

1室式燃料電池におけるスタック化と燃料の多様化

文部科学省  科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)  挑戦的萌芽研究

課題番号
21656245
体系的課題番号
JP21656245
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,100,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

種々の燃料を直接供給しても発電が可能である固体酸化物形燃料電池の利点を生かし、1室式燃料電池における供給燃料の多様化を目指した。本年度は、これまでのメタン以外に、ジメチルエーテル(DME)およびバイオガスを模したメタン60%+二酸化炭素40%の混合ガスを燃料として試した。アノード材料には、5wt%のNiOを添加した(La_<0.75>Sr_<0.25>)_<0.9>Cr_<0.5>Mn_<0.5>O_3(LSCM)あるいはNiOを、カソード材料には、Sm_<0.5>Sr_<0.5>CoO_3(SSC)あるいはLa_<0.6>Sr_<0.4>Mn_<0.6>Fe_<0.4>O_3(LSMF)を用い、昨年までと同様にBaLaIn_2O_<5.5>(BLI)を電解質とした一室式セルを作製した。以下では、800℃でメタンを使用したときに58mW cm^<-2>を示したセルと同型のセルを用いた。DMEを燃料とした場合、800℃では酸化剤である空気中の酸素を消費しDMEが熱分解を起こすため、400℃程度までしか温度が上げられなかった。BLIの400℃での導電率は、800℃での値の約1000分の1となるため、高い出力は期待できなかった。実際に発電試験を行ったが、800℃でメタンを燃料とした場合の約1000分の1程度の0.055mW cm^<-2>であった。一方、バイオガスを燃料として作動温度800℃で発電試験を行った場合には、メタンを燃料とした場合の約56%の最大出力密度である33mW cm^<-2>が得られた。バイオガスを燃料とした場合の出力密度の低下は、カソードに用いたSSCがバイオガス中の二酸化炭素との反応に起因する。したがって、カソード材料の最適化により、更なる発電特性の向上並びに安定作動が期待できることがわかった。

リンク情報
URL
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/21656245.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21656245
ID情報
  • 課題番号 : 21656245
  • 体系的課題番号 : JP21656245