2016年
カキ(Diospyro kaki)‘平核無’果実と‘平核無’由来の小果変異系統‘突核無’の果実間の,生理学的特性及び遺伝子発現の差異
Horticulture Journal
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- 巻
- 85
- 号
- 4
- 開始ページ
- 306
- 終了ページ
- 314
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2503/hortj.MI-119
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 園芸学会
<p>カキ'突核無'は'平核無'由来の枝変わり系統であり,小型の果実を着ける.'突核無'の小果表現型を特徴付けるため,本研究では組織学的解析と植物成長調節剤処理,次世代シークエンシングを用いたトランスクリプトーム解析を行った.'突核無'果実における柔細胞の細胞数は'平核無'よりも有意に少なく,さらに果実発育期後半における細胞サイズも有意に小さかった.一方,'突核無'の果実サイズはサイトカイニン処理[N-(2-chloro-4-pyridyl)-N'-phenylurea (CPPU), 50 or 200 ppm]により回復した.これらの結果は,'突核無'果実におけるサイトカイニン活性の低下が果実発育期前半における低い細胞分裂活性と果実発育期後半における低い細胞肥大活性に影響を及ぼしたことを示唆している.そこで,'突核無'と'平核無'の遺伝子発現の差異を明らかにするため,次世代シークエンシングを用いた大規模トランスクリプトーム解析を行った.イルミナ HiSeq2000 による 100 ベースのペアエンドシークエンシングとその後の前処理により,'平核無'からは 21,662,190 リード対,'突核無'からは 23,195,203 リード対を得た.アセンブル後,118,985 個の unigene が得られ,それらの unigene 長は 201~11,954 ベースの範囲であり,平均 unigene 長は 915 ベースであった.デジタル発現解析の結果,164 個の unigene が'突核無'より'平核無'で発現が有意に高く,265 個の unigene が'平核無'より'突核無'で発現が有意に高かった.PAGE 解析の結果,'突核無'では cell cycle や regulation of cell cycle に含まれる遺伝子の発現が有意に低下していた.細胞分裂に関連した発現変動遺伝子には D3-type cyclin と Mitogen-Activated Protein Kinase Kinase Kinase(MAPKKK)が含まれていた.これらの結果から'突核無'の小果表現型の制御に細胞分裂関連遺伝子が関与している可能性について考察した.</p>
- リンク情報
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- DOI
- https://doi.org/10.2503/hortj.MI-119
- J-GLOBAL
- https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201702276295558323
- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/130005433280
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12708073
- Web of Science
- https://gateway.webofknowledge.com/gateway/Gateway.cgi?GWVersion=2&SrcAuth=JSTA_CEL&SrcApp=J_Gate_JST&DestLinkType=FullRecord&KeyUT=WOS:000385903000002&DestApp=WOS_CPL
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/027656566
- ID情報
-
- DOI : 10.2503/hortj.MI-119
- ISSN : 2189-0102
- eISSN : 2189-0110
- J-Global ID : 201702276295558323
- CiNii Articles ID : 130005433280
- CiNii Books ID : AA12708073
- identifiers.cinii_nr_id : 9000283621881
- Web of Science ID : WOS:000385903000002