1994年
数種常緑広葉樹の光合成・蒸散速度の日変化と季節変化について
日本緑化工学会誌
- ,
- ,
- 巻
- 19
- 号
- 4
- 開始ページ
- 245
- 終了ページ
- 255
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.7211/jjsrt.19.245
- 出版者・発行元
- 日本緑化工学会
大気-植物間の物質交換過程を解明するために, 数種常緑広葉樹(アラカシ・クスノキ・マテバシイ)の個葉上での蒸散速度および光合成速度の通年測定結果を用いて解析を行った。測定結果から明らかになった蒸散速度および光合成速度の日変化および季節変化のパターンは, (1)日変化では光合成速度が午前中にピークを持つのに対し, 蒸散速度は正午ごろピークを持ち, (2)季節変化では光合成速度より蒸散速度のほうが夏と冬の差が大きい, (3)この結果水利用効率は午前中のほうが午後より高く, また冬のほうが夏より高くなる, というものであった。そこで, CO_2およびH_2Oフラックスを決定する要因を, 電気回路アナログモデルにおける勾配および抵抗の概念を用いて整理し, 蒸散速度および光合成速度を決める生理要因を気孔コンダクタンスおよび葉内コンダクタンスの二つのパラメータを用いて定量的に評価することを試みた。これらの結果から, 植物の気孔開閉が蒸散および光合成速度をどの程度制御しているのかを定量的に表現することができた。また蒸散および光合成速度の日変化および季節変化のパターンが大気または植物のどの要因に最も大きく影響されているのかを, 水利用効率を分析することで説明した。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.7211/jjsrt.19.245
- ISSN : 0916-7439
- ISSN : 1884-3670
- CiNii Articles ID : 10009850324
- CiNii Books ID : AN10130633