2000年4月 - 2006年3月
ウイルスの病原性と増殖の分子機構
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特定領域研究 特定領域研究
病原性と増殖に関与するウイルスと植物の遺伝子を特定し、その機能を明らかにした。主な結果は以下の通りである。
1)クローバー葉脈黄化ウイルス(C1YVV)は、インゲン・ソラマメ・エンドウに感染して激しいエソ病徴を起こす。本研究では、C1YVVのゲノムRNAに対するcDNAを、35Sプロモーターの下流に組み込むことで感染性のcDN(pC1YVV)を構築、pC1YVVに変異を導入して、表現形質の変化を見ることで解析してエソ病徴を誘導するウイルス遺伝子がHC-Proであることを証明した。
2)ククモウイルスの2bタンパク質のウイルス病徴誘導における機能を明らかにした。Tomato aspermy virus(TAV)では、タバコでの全身移行に2bタンパク質機能することを明らかにし、またCMVがダイズ種子に斑紋を誘導する分子メカニズムが2bによるRNAサイレンシングの抑制によることを明らかにした。
3)シロイヌナズナcum1変異は、キュウリモザイクウイルス(CMV)の増殖を、cum2変異はCMVとともにカブクリンクルウイルス(TCV)の増殖を抑制する。どちらの変異も劣性で、タバコモザイクウイルスの増殖には影響を与えない。そこで、cum1およびcum2変異に対応する野生型遺伝子の同定し、変異によるウイルス増殖抑制機構の一端を解明した。トマトのTm-1は、半優性遺伝因子で、トマトモザイクウイルス(ToMV)の1細胞内での増殖を抑制する。タバコBY-2培養細胞抽出液をベースにした試験管内ToMVRNA複製系に、Tm-1トマト培養細胞抽出液を加えることにより、ToMV-L特異的RNA複製阻害活性のアッセイ系を確立した。
4)Brome mosaic viru5(BMV)などの4種のプロモウイルスを用い、以下を明らかにした。(1)BMVの細胞間移行に必要な移行タンパク質(MP)遺伝子と外被タンパク質(CP)遺伝子変異体の機能ドメインを特定した。さらにウイルスの複製と細胞間移行の間の相互作用も解析した。(2)全身感染しないウイルスのMP遺伝子が全身感染するようになる変異の規則性を明らかにした。(3)Nicotiana benthamianaに由来し、BMVのMPと相互作用する植物遺伝子の発現を抑制した形質転換植物を作製し、これら因子のBWV感染における役割を解明した。
1)クローバー葉脈黄化ウイルス(C1YVV)は、インゲン・ソラマメ・エンドウに感染して激しいエソ病徴を起こす。本研究では、C1YVVのゲノムRNAに対するcDNAを、35Sプロモーターの下流に組み込むことで感染性のcDN(pC1YVV)を構築、pC1YVVに変異を導入して、表現形質の変化を見ることで解析してエソ病徴を誘導するウイルス遺伝子がHC-Proであることを証明した。
2)ククモウイルスの2bタンパク質のウイルス病徴誘導における機能を明らかにした。Tomato aspermy virus(TAV)では、タバコでの全身移行に2bタンパク質機能することを明らかにし、またCMVがダイズ種子に斑紋を誘導する分子メカニズムが2bによるRNAサイレンシングの抑制によることを明らかにした。
3)シロイヌナズナcum1変異は、キュウリモザイクウイルス(CMV)の増殖を、cum2変異はCMVとともにカブクリンクルウイルス(TCV)の増殖を抑制する。どちらの変異も劣性で、タバコモザイクウイルスの増殖には影響を与えない。そこで、cum1およびcum2変異に対応する野生型遺伝子の同定し、変異によるウイルス増殖抑制機構の一端を解明した。トマトのTm-1は、半優性遺伝因子で、トマトモザイクウイルス(ToMV)の1細胞内での増殖を抑制する。タバコBY-2培養細胞抽出液をベースにした試験管内ToMVRNA複製系に、Tm-1トマト培養細胞抽出液を加えることにより、ToMV-L特異的RNA複製阻害活性のアッセイ系を確立した。
4)Brome mosaic viru5(BMV)などの4種のプロモウイルスを用い、以下を明らかにした。(1)BMVの細胞間移行に必要な移行タンパク質(MP)遺伝子と外被タンパク質(CP)遺伝子変異体の機能ドメインを特定した。さらにウイルスの複製と細胞間移行の間の相互作用も解析した。(2)全身感染しないウイルスのMP遺伝子が全身感染するようになる変異の規則性を明らかにした。(3)Nicotiana benthamianaに由来し、BMVのMPと相互作用する植物遺伝子の発現を抑制した形質転換植物を作製し、これら因子のBWV感染における役割を解明した。
- ID情報
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- 課題番号 : 12052201
- 体系的課題番号 : JP12052201