研究ブログ

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ノーベル賞の決闘

鳥山明の訃報が知らせられた日、ロジャー・ギルマンの死も知る。

https://www.nature.com/articles/d41586-024-00714-4

 (フランス人なのでロジェ、だそうな。Wikipediaだけど)

なんと100歳だったそうで、あんな激烈な研究競争の日々をくぐり抜けて、なお長生きなのに驚愕する。

それでシャリーはというと、何とこちらもまだ96で存命中だった。「どっちが長生きするか競争」でもデッドヒートなんだ、と妙に感心してしまった。

 

タイトルの本は岩波では品切れだった。丸山工作先生が翻訳に加わっておられるというのも味わい深い。

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飼い主が亡くなったペットに起こること

Yes, your pet might eat your corpse. That’s a problem for investigators

 

何ともいえず。なくなった後は単なる物であることは理解できるけど、ちょっと嫌である。

動物に喪に服せとは言えんけど、なぁ。おまえに餌をくれてた人間だろ、と諭したところで意味はない。

単身者がなくなった事故物件はネットで話題になったことがあるけど、ペットを飼ってて、という話は聞いたことが無かったのでなかなかつらい描写であった。

 

 

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ネコにツナ

ネコは糖の甘味が分からんというのは生化学の教科書に載っている。

McGraneら(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37551788/)の報告、何でネコがツナ好きなのか、面白かった。やっぱりキャットフードの会社が研究。グルタミン酸受容体だけど核酸の方が強く反応するの、相乗効果の順序が逆転してるとか、興味深い。ちゅ〜るを狂ったように舐めるのはそういうことだったのかというか、あれ何入ってるの?

 

調べるとやっぱりかつお節抽出物っぽい。水が一番多いけど、タンパク質9%と結構多めだった。理にかなっていたというか、経験的なものだろうけど。

 

上記論文については試料のサンプリングは安楽死させる必要がある猫使ったとか、その辺は気を使っているのがペットネタとして当然の要求なのねと。

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Smart toilet

まえに聴いて面白かったんだけど
Visiting a mummy factory, and improving the IQ of … toilets
一般的な回数とかだけでなくて、尿サンプルをLC-MS-MSかけて代謝物から健康状態とか疾病の診断ができるとか、便サンプルからNGシークエンサーで腸内細菌叢が分かるとか、大変。研究者のお家のトイレに併設されてるのが世界に2つだけある、とか(笑)。究極の個人情報だよね。

☆笑ったのが個人の特定なんだけど、手で触る所に指紋を判別するセンサがついてるってことだけど、一番確実なのは肛門のしわのパターンなんだとか。やばい。肛門の状態は病気の診断に役立つので消化器系の医者がめっちゃ知りたいことだとか。

☆下ネタ好きとしては爆笑するところなんだけど、Sarahさんは無反応でした。ブツをキャッチしなくてはならないので、下から映像を撮ってるんだ。

☆smart toilet で論文検索かけたらnatureのサイトだけでもなんかいっぱい出てくるね。

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post-viral disability

慢性疲労症候群 CFS は強い疲労感が主訴である疾病だが、風邪のような症状のあとに発症する場合が多い。近年は筋痛性脳脊髄炎 myalgic encephalitis: ME と同一の疾病として、ME/CFS と記されるようになっている。

脱髄が病因である多発性硬化症 multiple sclerosis: MS も強い疲労感があるが、潜伏感染していたEpstein-Barrウイルスが病因であるとする報告がある。

そして、新型コロナウイルス感染症 COVID-19 の後遺症として、強い疲労感や認知障害(Brain Fog と俗称されている)がしばしば見られている。

これらの疲労感の発生する機構は不明であるが、初めにウイルス感染があることは共通であり、ウイルス感染後障害として疲労感を生成する機構が異常に亢進しているのかも知れない。

COVID-19 に対して、感染予防策を緩和する方向にかじが切られているようだが、単なる風邪と見なして 集団免疫 herd immunity を獲得することを目指しているのだろうか。現状でも感染後の後遺症にさいなまれている人の多さを考えれば、さらに多くの人が感染する集団免疫獲得策は危険で、個人にも社会にも大きな負担を残すものとなることを危惧する。

感染後の後遺症を持つものを排除して、新型コロナウイルス感染症の「軽症化」を目指す遠大な計画でもあるのだろうか。風邪やインフルエンザが軽症で済むようになったのは、重症化や後遺症が残る遺伝的特性をもったものがいなくなり、軽症で済んだヒトだけが進化上残ったため、というのは事実なのであろうが…。

人類という集団の中で弱い者として排除されるという理屈はわかるけど、個人としては自分や家族が排除されたくはないので、高感度で正確な診断(=PCR)がいつでもできて、治療薬が入手できるようになるまでは、従前の予防策を続けるしかない。

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初めに

井上です。

 

疲労の機構=どのようなメカニズムで疲労が感じられるのか、に興味を持っています。

 

本ブログは個人の考えを表明するもので、所属する組織、その他の方針とは全く独立・無関係でであることを言明いたします。

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