2015年11月30日
社会的要因を考慮した都市郊外部における農地変化の分析と予測シミュレーション―大阪府を事例として―
システム農学
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- 巻
- 31
- 号
- 4
- 開始ページ
- 99
- 終了ページ
- 108
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.14962/jass.31.4_99
- 出版者・発行元
- システム農学会
近年、都市近郊における農地の減少が進んでおり、問題となっている。農地は多面的機能を有しており、保全の推進が求められる。今後、適切な保全対策を実行していくためには、過去の農地の変化のメカニズムを把握するとともに、それを踏まえたうえで、将来の変化について予測し、とり得るべき政策について検討していくことが重要である。本研究では、対象地域を大阪府とし、社会的要因などの農地の変化に関連する要因について分析するとともに、ナイーブベイズによる予測モデルを構築し、シミュレーションを実施した。分析の結果、区域区分や近傍の土地利用(農地、建物)が農地の変化に大きな影響を与えていることがわかった。また、予測モデルの精度を検証するため、近年の実際の農地の分布を予測する再現シミュレーションを実施したところ、一致率は70%以上の値をとり、先行研究と比較して高い精度となった。さらに、モデルを用いて、将来の農地の変化についてシミュレーションを実施したところ、現在の状況が続いた場合、今後も多くの農地が転用され、大阪府の掲げる農地の保全目標値とは大きく乖離する結果になることが示唆された。一方で、集団的な農地を優先的に規制するように区域区分の見直しを行った場合、転用される農地は少なくなり、一定の効果がみられることが分かった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14962/jass.31.4_99
- ISSN : 2189-0560
- ISSN : 0913-7548
- J-Global ID : 201602200376766981
- CiNii Articles ID : 40020704945
- CiNii Books ID : AN10164125
- identifiers.cinii_nr_id : 1000090159195