2013年3月
異なる気象条件におけるヒノキ林分の葉の窒素安定同位体比と土壌特性との関係
日本森林学会大会発表データベース
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- 巻
- 124
- 号
- 0
- 開始ページ
- 264
- 終了ページ
- 813
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.124.0.813.0
- 出版者・発行元
- THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
葉の窒素安定同位体比(δ15N)は植物の窒素利用を表す指標として用いられている。ヒノキの窒素利用を明らかにするために京都、香川、愛媛、高知のヒノキ林14林分で葉のδ15Nと土壌特性との関係を調べた。2002~2010年に葉、A0層、深さ0-5cmの表層土壌を採取し、δ15N、窒素および炭素濃度を測定した。δ15N値は葉、A0層、表層土壌でそれぞれ-9.2~-2.0‰、-5.5~-1.5‰、-1.3~3.1‰を示した。葉のδ15N値は、A0層の総量と窒素量が多いほど低くなり(p<0.01)、表層土壌の窒素濃度、窒素量が低く、CN比が高いほど低くなる傾向を示した(p<0.05)。葉のδ15N値はA0層のδ15N値と有意な正の相関を示したが(p<0.01)、表層土壌では有意な関係は認められなかった。表層土壌の硝化活性が高いヒノキ林分で葉のδ15N値が低い値を示すという報告があるが、A0層が多く表層土壌のCN比が高い林分では土壌の硝化活性は低いと考えられる。堆積有機物が多い貧栄養なヒノキ林分では、A0層から放出される窒素を吸収する割合が大きくなるために葉のδ15N値が低くなることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11519/jfsc.124.0.813.0
- ISSN : 1349-8517
- J-Global ID : 201302262924246765
- CiNii Articles ID : 130005048989
- identifiers.cinii_nr_id : 9000283889824