2013年3月29日
2009年4月〜2011年1月の桜島火山における絶対重力観測 : 昭和火口からの噴火活動に関する考察
火山
- 巻
- 58
- 号
- 1
- 開始ページ
- 153
- 終了ページ
- 162
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.18940/kazan.58.1_153
- 出版者・発行元
- 特定非営利活動法人日本火山学会
2009年4月から2011年1月まで,桜島火山の有村観測坑で行った絶対重力の連続観測により,測定誤差を有意に超える,30マイクロガルの重力値の減少が検出された.陸水流動シミュレーションを用いて,降雨等により発生する地下水起源の重力擾乱を取り除くと,重力は両振幅で15〜20マイクロガルの変動を示した.変動の様相から観測期間が5つの特徴的なフェーズに分けられることが明らかとなった.これらのフェーズは,火山灰放出量・有村における傾斜変動・爆発回数などの火山活動を示す指標の変動と,きわめて良い相関をもっていた.重力の火道内のマグマ頭位の変動によって重力変動が引き起こされると考え,線質量モデルに基づいて,頭位標高の推移を推定した.その結果から,マグマヘッドは2009年7月〜2010年5月半ばには標高400〜800mと高い位置にあったが,その後の1か月間で標高0m程度まで急降下していると推定された.これらの推定は,昭和火口からの爆発回数の消長ときわめて良い対応を見せている.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.18940/kazan.58.1_153
- ISSN : 0453-4360
- J-Global ID : 201302293814185216
- CiNii Articles ID : 40019656076
- CiNii Books ID : AN10512786