共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年 - 2022年

皮質脊髄路が両側性投射を持つ遺伝子改変マウスを用いた同側性投射線維の役割解明

日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H03348
体系的課題番号
JP20H03348
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
6,760,000円
(直接経費)
5,200,000円
(間接経費)
4,110,000円
資金種別
競争的資金

皮質脊髄路は大脳皮質5層の錐体ニューロンに起始し脊髄へ投射する主要な下行性経路であり、脊髄運動ニューロンの活動を制御する。マウスではほとんど全ての線維が延髄の錐部で正中交差して後索を下行し反対側に投射するが、少数(~5%)の線維は交差せずに前索を下行する。
応募者らは、ヘパラン硫酸エンドスルファターゼSulf1とSulf2を欠失したダブルノックアウト(DKO)マウスが錐体交差異常を持ち、非交差線維が同側の脊髄に投射するため脊髄への投射が両側性になること、その結果、片側の運動野を電気刺激すると両側に運動と筋電図が誘発されることを明らかにした。この投射異常により運動機能に障害が起こるかどうかを調べるために、Grid walking test、Staircase test、Single pellet reaching testを実施した。いずれもマウスで運動機能を評価するために用いられる行動実験であるが、DKOマウスはいずれの試験でも野生型マウスより成績が悪かった。歩行は正常であり、Rotarod testでも正常であることから、粗大な運動、協調運動、定型的運動、運動学習などには異常が無いが、手指などを用いる精細な運動の調節に異常があると考えられた。
しかしながら、異常な同側性投射が運動機能に関与しているのか、DKOマウスで見られる運動障害が同側投射線維が出現したために生じたのかどうかは不明である。そこで、本研究では、このDKOマウスで片側の運動野を可逆的または不可逆的に抑制または障害した結果、同側および反対側の運動がどのように変化するかを調べることにより、皮質脊髄路の同側性投射の役割を明らかにすることを目指している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H03348
ID情報
  • 課題番号 : 20H03348
  • 体系的課題番号 : JP20H03348