共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2001年

量子群の結晶基底とその応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
12640385
体系的課題番号
JP12640385
配分額
(総額)
1,900,000円
(直接経費)
1,900,000円
資金種別
競争的資金

二年間の研究成果は主に二つの流れのものに分類できる。第一はフェルミ公式に関連する結果である。まず、フェルミ公式の予想をねじれ型まで含む全てのアフィンリー環に拡張し、関連する様々な様相を統一的に記述した。例えば、可積分最高ウエイト表現のパス実現におけるテンソル積定理、スピノン指標公式、ダイロガリズムの和公式、キリロフ・レシェテキン予想、q=1とq=0におけるベーテ伝説の完全性、一般Qシステムの理諭などである。
また、非例外型の全てのアフィンリー環について、Kang達による結晶基底の組み合わせRを、あらわな挿入アルゴリズムを用いて記述した。
第二の成果は結晶基底を用いて構成されるソリトンセルオートマトンに関するものである。まず、ソリトン同士の散乱規則が、ランクが一つ小さい代数の組み合わせRに一致する事を一般的に証明した。散乱に対する非一様性の効果も調べ、位相のずれにだけ寄与する事を示した。また、キャリアの容量が無限大の場合には、時間発展がワイル群演算子の積に因子化する事を証明した。これにより、オートマトンのダイナミクスについて、対生成・消滅する粒子系による著しく簡明な記述を得た。更にA_n^<(1)>の場合には差分KP方程式との結びつきを用いてオートマトンのNソリトン解を構成した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12640385
ID情報
  • 課題番号 : 12640385
  • 体系的課題番号 : JP12640385