2017年9月
脳の損傷修復における増殖性アストロサイトの役割
第58回日本組織細胞化学会
- ,
- ,
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(招待・特別)
- 主催者
- 日本組織細胞化学会
- 開催地
- 愛媛
外傷や虚血などにより脳が損傷を受けると、壊れた血管から進入したマクロファージなどの免疫細胞や損傷に応答して活性化したミクログリアが炎症を引き起こすことで組織修復が促される。一方で、過剰な炎症応答は正常なニューロンに対して傷害作用を示すことから、炎症の拡大や持続による二次的な神経組織傷害が問題視されている。近年、グリア細胞の一種であるアストロサイトが、損傷部周囲で増殖して数を増やし、損傷部における炎症細胞を取り囲むことで、炎症の拡大を最小限にとどめていることが明らかになってきた。我々は、最近、損傷を受けた脳内のアストロサイトでは、bFGFなどの増殖因子のシグナルにより発生過程の神経幹細胞に高発現している受容体型チロシンキナーゼRor2の発現誘導が起こることを突き止め、Ror2シグナルによってアストロサイトの増殖が促進されることを明らかにした。加えて、ア