共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

睡眠時ブラキシズムの脈波センサによる発生前検出と発生抑制システムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K10070
体系的課題番号
JP20K10070
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

国民の歯科衛生知識の向上や健康推進キャンペーンにより,カリエスや歯周疾患による抜歯は減少しましたが,歯根破折が原因の抜歯が増加しています. Axelssonらは257名の患者の30年間にわたるメインテナンスを通じて全抜歯歯数173歯のうち,歯根破折によるものが108歯(62. 4%)と抜歯の主原因であっ たと報告しています.また,須田は歯根破折は予防も破折歯の保存も容易ではないことから,歯科の今日的・将来的な重要課題であるとしています.
睡眠中に無意識下に行われる歯ぎしりやくいしばり(以下,睡眠時ブラキシズム)は意識的な咬合力の制御がないため,日中には生じない異常に大きな咬合力 が発生します.そして,その騒音が同室者の睡眠障害の原因になるだけでなく,異常な咬耗・歯質破折による歯の機能低下や詰め物,かぶせ物や入れ歯のような歯科補綴装置の頻繁な脱離・破損,さらには歯根破折による抜歯や,咀嚼筋の疲労・疼痛を始めとする顎機能障害の重要な原因の一つとなります.しかしながら,根本的な治療法は存在せず,対症療法的なものがほとんどで,有効な対策の開発が求められています.
本研究では睡眠時ブラキシズム発生に先行して生じることが知られている心拍数の亢進から発生の前兆を検知し,発生を抑制する装置を製作します.心拍亢進をもとにする装置は世界でも類例をみず,睡眠時ブラキシズムの画期的な治療法となるものです.
令和2年度に心拍亢進検出装置を製作し,令和3年度は検出結果の精度確認ソフトウェア作成と抑制刺激発生装置を製作する予定でしたが,納品前の動作確認で問題が生じ,その対策のため納品が令和4年度に延期になりました.
これに伴って,心拍亢進検出と抑制刺激発生を個別の装置で行うのではなく,単一の装置で心拍亢進検出と抑制刺激発生の両方を行うことにする予定です.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K10070
ID情報
  • 課題番号 : 20K10070
  • 体系的課題番号 : JP20K10070