2013年
顎顔面形態の評価に有用な3次元計測点の再現性に関する研究
日骨形態誌
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- 巻
- 23
- 号
- 1
- 開始ページ
- S145
- 終了ページ
- S155
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本骨形態計測学会
【目的】外科的矯正治療の矯正学的診断における主たる資料は、顔面規格写真、口腔内写真、歯列模型、正面・側面頭部エックス線規格写真、CTなどで、特にCTによる3次元分析が近年多用されるようになった。しかしながら、3次元分析を行うにあたっての計測点の設定、および再現性については未だ十分な検討がなされていない。本研究では、多断面再構成(multiplanner reconstruction:MPR)画像上で顎顔面形態の把握に有用と思われる計測点の3次元的な定義を行い、それぞれの抽出と再現性を評価した。【資料と方法】新潟大学医歯学総合病院・矯正歯科診療室に来院した顎変形症患者60名のうち、先天異常を認めずアーチファクトのない成人7名(男性3名、女性4名)のCT画像データを用いた。計測点の抽出にはDICOMビューアーソフトExavision Lite(Ziosoft、東京)を使用し、フランクフルト平面(FH平面)を基準平面とし直交MPR画像を表示後、44の計測点(X、Y、Z座標から成る計132の座標値)を2名の矯正歯科医がそれぞれ2回ずつ計測した。計測者内、計測者間における計測値の有意差は分散分析(ANOVA)を用いて評価し、誤差の程度については計測誤差のSDで評価した。【結果】計測者内では1回目と2回目の計測値に有意差は認められなかった。計測者間で有意差を認めた座標は132座標中39座標で、そのうちX座標は10座標、Y座標は15座標、X座標は14座標であった。計測者内誤差のSDは±0.70mm、計測者間誤差のSDは±0.84mmであった。【考察】3次元座標上で、設定困難かつ再現性が低かった計測点は、下顎枝後縁点(Ar)、Go、大口蓋孔であったが、計測値のSDはボクセルサイズと比較して小さかったことから、再現性は高く顎顔面形態の把握に有用であったと考えられた。また、FH平面を基準とし計測することにより、撮影時の頭位の変化に影響されることなくMPR画像上で再現性の高い計測点の抽出が可能であった。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0917-4648
- 医中誌Web ID : 2014059280
- J-Global ID : 201302290882102532