共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2021年3月

次元論および距離空間の埋蔵問題から考察するcoarse幾何学の研究


配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
0円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

昨年度の引き続きcoarse幾何学におけるANR理論を構築する試みを行っている。ANR理論は代数的トポロジーを展開する上でCW複体や位相多様体のように組み合わせ的構造や幾何的構造に依存しない内的特徴付けからよい結果が得られるので、coarse幾何学で同様な理論が展開できればよいと考えた。有限次元ANRの特徴付けはそのホモトピー的局所連結性を用いて行われる。しかしcoarse幾何学ではホモトピー理論を展開することは難しいので、組み合わせ的性質を利用したホモロジー論を用いた局所連結性から糸口を見いだそうと考えた。そこで従来のsmallサイズの位相幾何学におけるものも含め先行研究に当たってみたが、必ずしも十分な結果が得られていない。このテーマに関連してVesko Valov教授(Nipissing University、Canada)と共同研究を行った。これまでに局所的にホモロジー群が縮約するという性質からホモロジーレトラクトという概念を導入してホモロジーANRを定義した。従来のANRとはどのくらいの差異を研究している。ホモロジー的に局所単連結になる分解空間の特徴付けを解明することがキーポイントであることがわかってきた。その段階で分解空間のホモロジー論として何が適切か、という課題に直面しSteenrodホモロジー群を採用することにした。現在、n次元コンパクト距離空間をn+1次元コンパクトANR へ埋蔵する児玉の方法をから「よい性質をもつ分解空間」を構成し、Steenrodホモロジー群による局所連結性を計算している。V. Valov教授との共著論文:On homologically locally connected spaces. Topology Appl. 260 (2019), 57-69.が出版された。また、昨年度の進捗状況で報告した共同研究の成果:Homological properties of decomposition spacesを九州大学IMIオーディとリアムで行われた「Building-up Differentiable Homotopy Theory」(2019年3月4日から7日)で講演を行った。これを元にして論文を執筆する予定でいる。(1)分解空間のホモロジー局所連結性の特徴付けの成果をまとめるあげることを目標に挙げる。同時にcoarse幾何学に有効なANR理論の導入を中心課題の一つとして挙げる。(2)新たな研究方法の導入:coarse幾何学に力学系理論の研究を取り入れるために、shape理論へConley指数の考え方を導入し先駆的な役割を果たしたJose M.R. Sanjurjo教授(Universidad Complutense de Madrid, Spain)を招聘し、集中講義を行う。(3)研究成果の発表:Conference on Geometric Topology and its Applications (Mazatlan, Mexico, December 9-12, 2019)に出席して、これまでの成果を発表するとともに最新の話題、進捗状況の調査を行う