書籍等出版物

2018年6月

民主政とポピュリズム

  • 阪野 智一

担当区分
その他
出版者・発行元
筑摩書房
記述言語
日本語
著書種別
学術書

2017年イギリス総選挙の分析から、階級に基づく二大政党政治から、年齢に基づく二大政党政治への変容を明らかにした。1979年以降のイギリスの政党システムを「政権交代のある優位政党制」(Alternating Predominance)と捉えるクィンによると、小選挙区制のもとで多党化すると、第三政党の台頭は、第一政党には有利に、逆に第二党には不利に作用する。その結果、第一政党と第二政党との議席差が開き、しばらくは優位政党制がもたらされるという。2017年総選挙では、ブレグジットによってUKIPやSNPといった第三位以下の政党が減退し、そのことにより、第二位の労働党はそれほど不利な影響を受けなかった。そのことが、労働党が伸張した要因の一つであり、宙づり議会が生じた要因の一つであることを明らかにした。