共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年4月 - 2003年3月

熱ショック蛋白質抗体価の測定による歯周病の病態予測

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

課題番号
12557184
体系的課題番号
JP12557184
配分額
(総額)
4,900,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

徳島大学歯学部附属病院歯科(予防歯科)を受診した患者で、本研究参加同意のもとに得られた唾液サンプルを用いて、歯周病原性細菌由来熱ショック蛋白質(HSP)に対する唾液分泌型IgA(S-IgA)の抗体価測定を行い、各被験者の歯周病病態との関連性を検索した。5種類のHSP60 familyに属する蛋白質標品を抗原としてWestern immunoblot法によりS-IgAとの反応性を調べた結果、Campylobacter rectus GroEL及びPorphyromonas gingivalis GroELは健常・軽度歯肉炎群と比較して歯周炎群において高率に抗原抗体反応を示した(p<0.05)。さらに、表面プラズモン共鳴を利用したバイオセンサーBIAcore 1000を用い、歯周病との関連性が強く認められたC.r.GroELに対するS-IgAの反応性を測定した。その結果、結合量(RU値)は健常・軽度歯肉炎群に比較して、歯周炎群において有意に高い値を示し(p<0.01)、また、測定によるRU値は5mm以上の歯周ポケットを示す歯数と強い相関性を示した(r=0.5,p<0.01)。
BIAcore装置は1検体約20分で測定可能であるが、上記測定法を確立するためのアナライトとして十分量のC.r.GroELが必要となるため、リコンビナント蛋白質の作成を行った。C.r.groEL解析の結果、1641bp、547アミノ酸をコードしていることが判明し、この結果を応用して同遺伝子を大腸菌へ導入し、リコンビナント蛋白質を作成した。
本研究の結果、唾液を用いたHSP抗体価測定により歯周病病態を診断・予測することが可能であること、更には、BIAcore装置の使用により迅速測定法として応用可能であると考えられた。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12557184/
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12557184
ID情報
  • 課題番号 : 12557184
  • 体系的課題番号 : JP12557184