共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

がん化学療法患者の有害事象に関連する口腔環境因子・口腔細菌の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K10432
体系的課題番号
JP19K10432
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本年度は自家末梢血幹細胞移植を受けた患者に焦点をあて,歯科専門職による口腔衛生管理の体制を確立したことによる重症口腔粘膜炎の低減効果を検討した。対象患者を専門的口腔衛生管理体制の確立前と確立後で2群に分け、口腔粘膜炎の程度と発熱日数,臨床検査所見,含嗽剤および薬剤処方日数を調査した。口腔粘膜炎のGrade 2またはGrade 3の日数は,発熱日数,局所麻酔薬含有含嗽剤処方日数および鎮痛薬処方日数との間に有意な正の相関を認め、専門的口腔衛生管理体制確立後に自己末梢血幹細胞移植を行ったグループの口腔粘膜炎Grade 3発症日数は,専門的口腔衛生管理体制確立前のグループと比較して,有意に短く、自家末梢血幹細胞移植における重症口腔粘膜炎の発現は発熱日数や薬剤処方日数と関連し,専門的口腔衛生管理体制の確立が重篤な口腔粘膜炎の発現抑制につながる可能性が示唆された。
また、血液がんに対する初回の化学療法を受けた患者のうち,化学療法前の口腔内状況を確認できた患者を対象とし、患者カルテから使用された化学療法薬、期間、全身状態、血液検査結果を調査した。また、初回化学療法開始前の舌苔と唾液を検体として採取した。舌苔は患者の舌背表面より3回拭い採取したものを検体とし、細菌数測定装置を用いて総菌数を測定した。また歯周病原細菌のうち、F. nucleatum,P. gingivalis,C. rectus,の3菌種の細菌数について、舌苔検体を用いてリアルタイムPCRの手法を用いて分析を行った。唾液検体では唾液量と分泌型IgA濃度およびタンパク質濃度を測定した。得られた以上の結果を、購入したパーソナルコンピューターを用いて整理を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10432
ID情報
  • 課題番号 : 19K10432
  • 体系的課題番号 : JP19K10432