2020年
Visual Analog Scale (VAS) を用いたコンポジットレジンの色調適合評価
日本歯科保存学雑誌
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- 巻
- 63
- 号
- 1
- 開始ページ
- 30
- 終了ページ
- 37
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11471/shikahozon.63.30
- 出版者・発行元
- 特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
<p> 目的 : 近年, 接着性コンポジットレジン修復の応用範囲が拡大している. コンポジットレジンの色彩学的研究が進められてきたが, 色差計による客観的な色差判定と視覚による主観的な色の評価は必ずしも一致しない. 本研究では, コンポジットレジンの視覚的色調評価法の確立を目指し, 主観的評価のデータを連続変数として測定することができるVisual Analog Scale (VAS) を応用し, その有用性を検討した.</p><p> 材料と方法 : 構造色発色コンポジットレジン (試作コンポジットレジン : ECM-001) と3種類の市販コンポジットレジン (A3) を用いた. A1, A2, A3, A3.5シェードの上顎中切歯の硬質レジン歯にⅤ級またはⅢ級窩洞を形成し, 上記のコンポジットレジンを充塡して, 白色または黒色背景上での色調適合性をVAS法にて判定した. そしてVAS値による評価と視覚的な評価の関連性を検討した. Ⅴ級窩洞およびⅢ級窩洞に充塡した4段階のシェードに対するコンポジットレジン間の有意差は一元配置分散分析およびTukey HSD testを, 背景間の有意差についてはt検定を用いて有意水準5%で解析した.</p><p> 結果 : ECM-001はⅤ級窩洞において, ほかのコンポジットレジンと比較して同等以上の色調適合性を示した. Ⅲ級窩洞では, ECM-001は白色背景時にいずれのシェードの人工歯に対しても優れた色調適合性を示した. しかし, 黒色背景時にはほかのコンポジットレジンのVAS値が上昇する傾向を示したのに対し, ECM-001のVAS値は低下する傾向にあった. VAS値による評価と視覚的な評価の関連性の検討では, 評価者のVASによる色調適合評価の傾向は大部分で一致しており, VAS値は肉眼で認識することのできる情報を反映していることが示された.</p><p> 結論 : VASを応用したコンポジットレジン修復の色調適合評価は, 構造色発色コンポジットレジンの色調評価にも有用であり, コンポジットレジン修復における新規視覚的評価法の一つとなる可能性を示した.</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11471/shikahozon.63.30
- ISSN : 0387-2343
- CiNii Articles ID : 130007804958