講演・口頭発表等

2005年

矢作川における農業水利の変化が冬期流量に及ぼす影響

水文・水資源学会研究発表会要旨集
  • 高橋 良典
  • ,
  • 佐藤 政良

かつて農業用水は1年を通して取水されていたが、現在は、目的が灌漑用水に限定され、冬期の通水は一般に行われていない。しかし、地域用水、特に冬水の通水による地域環境改善への要請が強まっている。 一方、近年、水需要が横ばいないし減少傾向の地域もみられ、将来、河川によっては水資源に余裕が生じ、地域用水ないし環境用水への分配が検討される可能性がある。 本研究では、矢作川水系を対象に多目的ダムを含む流域で灌漑期の農業用水使用量の減少が冬期の河川流量にどのように影響するかを検討した。 1975年から22年間の水利用について、農業用水の水量を26%減少させたときの水利用シミュレーションを行い、非灌漑期初頭貯水量への影響を求めた。その結果、全般には貯水量が増加するものの、その量は制限水位、確保水位と流況の関係によって影響を受けることが示された。また、この増加量は冬期河川流量の増強に寄与しうることを示した。

リンク情報
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130004627581