2014年5月
高温QCDにおけるU(1)カイラルアノマリー(最近の研究から)
日本物理學會誌
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- 巻
- 69
- 号
- 5
- 開始ページ
- 314
- 終了ページ
- 318
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 一般社団法人日本物理学会
アノマリー(量子異常)という現象をご存知だろうか?素粒子論におけるアノマリーとは,ラグランジアンが持つ対称性(不変性)が,量子力学的効果で破れる現象である.このように書くといかにも難しそうだが,「(古典論ではありえない)粒子反粒子の対生成がつくりだす古典論ではありえない現象」と書けば,そういうこともあるのか,と納得していただけるかと思う.例えば,古典電磁気学のラグランジアン(あるいはMaxwell方程式)は,座標,時間を定数倍,電場,磁場をその逆数倍しても理論が不変というスケール不変性を持っている.しかし,量子電磁気学(QED)では,粒子の対生成と対消滅による真空分極が,電荷を遮蔽し,見るスケールによって正味の電荷が変わってしまう.このためスケール不変性は破れるが,この現象をスケールアノマリーという.さて,本題である量子色力学(QCD)では,カイラル対称性の量子力学的破れ=カイラルアノマリーという現象が知られている.カイラル対称性の破れと言うと,南部陽一郎
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/110009816502
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00196952
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/025427525
- ID情報
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- ISSN : 0029-0181
- CiNii Articles ID : 110009816502
- CiNii Books ID : AN00196952