1997年
心白に基づいた酒造好適米品種の分類
育種学雑誌
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- 巻
- 47
- 号
- 3
- 開始ページ
- 267
- 終了ページ
- 270
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1270/jsbbs1951.47.267
- 出版者・発行元
- Japanese Society of Breeding
酒造好適米を選定する際にはその品種のもつ心白発現量やその位置情報が必要である。本研究は,画像解析法を利用して酒造好適米の心白を評価し,品種間における心白の特徴の差異を検出する目的で行われた。まず,山田錦,五百万石,およびたかね錦の心白標準画像を粒厚別にそれぞれ作成した。その結果,粒厚にかかわらず粒内における心白の発現位置は品種特有であるが,品種内では粒厚が厚いものほど心白発現量は高くなることが明らかになった。次に34品種の酒造好適米の心白標準画像を比較した結果,心白の量や心白の入る位置に基づいて,品種を5つのグループに分類することができた。さらに育成過程がわかっている品種について比較した結果,系譜と心白の分布は関連性が高いことがわかった。このことは心白の発現様式が遺伝的に制御されているという知見を支持している。本研究により,酒造好適米の評価に心白標準画像が有効であり,酒造原料米の選定のみならず,育種選抜の指標として利用することも可能であることが示された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1270/jsbbs1951.47.267
- ISSN : 0536-3683
- CiNii Articles ID : 130003479289