共同研究・競争的資金等の研究課題

1999年 - 2001年

先端半導体デバイスの高性能化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
11695065
体系的課題番号
JP11695065
配分額
(総額)
3,300,000円
(直接経費)
3,300,000円

次世代においても使用可能な先端半導体デバイスの高性能化の一環としての半導体デバイスの放射線損傷の解明は必要不可欠である。こうした状況から本研究では、デバイスとしてSiGeダイオードとトランジスタ、絶縁基板上(SIMOX)のSiMOS電界効果トランジスタ、鉄混入Siダイオード、薄いトレンチ構造(Shallow Trench Isolation : STI)を待つSiダイオード、BiCMOS(Bipolar Complementary MOS)プロセスで作製されたSiMOS電界効果トランジスタ及びフラシュメモリーを、材料としてSiポリシリコン薄膜を各々取上げ、それらの損傷機構を材料、構造及び線源依存性について検討し、半導体デバイスの高性能化に必要な基礎的資料を蓄積することを目的とした。
一連の研究の結果、以下のことが明らかになった。
1.SiGeデバイスの特性劣化はGeが多い程少ないが、これはGeの質量が大きく格子欠陥が形成されにくいためだと考えられる。この結果はSiGeデバイスがSiデバイスに比べて耐放射線性に優れていることを示唆している。
2.SIMOXトランジスタ、BiCMOSトランジスタ及びフラシュメモリーの照射損傷にはチャネル内に導入された格子欠陥(例えば、2重空孔)が流れる電流を減少させることに起因する。STIダイオードの場合は界面と酸化膜の損傷が共に影響する。鉄が混入されたSiダイオードでは、既存鉄のより電気的特性の劣化が軽減される方向に働く。
3.Siポリシリコン薄膜の抵抗の増加には粒界のトラップ密度の増加より、Si基板に導入される格子欠陥が主に起因する。
4.デバイスやポリシリコンの特性劣化の程度は放射線の線種によって大きく異なる。損傷の線源依存性は、照射粒子の質量と構成原子との衝突確率の違いから説明出来る。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-11695065
ID情報
  • 課題番号 : 11695065
  • 体系的課題番号 : JP11695065