Jul, 2020
MT Seminar 酸化ストレスと酸化ストレスマーカーの知識
Medical Technology
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- Volume
- 48
- Number
- 7
- First page
- 786
- Last page
- 796
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Publisher
- 医歯薬出版(株)
<要点>・酸化ストレスは、内部・外部刺激により生体内で活性酸素群(活性窒素も含む)が抗酸化システムで捕捉しきれないほど過剰に生じる状況である。・酸化ストレス亢進は血管内皮障害と深く関連する。とりわけ、血管内皮での一酸化窒素(nitric oxide;NO)生成は生体のレドックス環境を保持するうえで必須である。酸化ストレス亢進はarginineを基質とするNO合成を抑制し、内因性NO合成酵素阻害因子であるasymmetric dimethylarginineの生成を刺激する。・小児の急速進行性疾患、慢性遷延性疾患ではしばしば酸化ストレスが増幅され、生体の構造や機能が酸化劣化を受けて、組織障害が不可逆的に進展する。これらの疾患の治療、管理において酸化ストレスを制御することが重要である。そのためには酸化ストレスの病態生理、それへの防御機制を把握し、特異的マーカーを用いて患者の酸化ストレス環境を非〜低侵襲的に評価することが必要である。・小児医療の現場で実施される種々の治療は酸化ストレス制御を目指すものでもあるが、今後は"レドックス"に関連してより特異性の高い細胞機能修飾薬が開発され、それらが重症疾患への集学治療のなかに組み込まれていくことが期待される。(著者抄録)
- ID information
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- ISSN : 0389-1887
- Ichushi Web ID : 2020297164