MISC

2009年8月25日

マウス胚盤胞から樹立される3種の幹細胞におけるEgam‐1Cプロモーター活性と転写因子Sp1及びSp3との関係

J Reprod Dev
  • 齊藤耕一
  • ,
  • 福島淳
  • ,
  • 細井勇輔
  • ,
  • 相馬未來
  • ,
  • 春日和
  • ,
  • 小林正之
  • ,
  • 小嶋郁夫

55
Supplement
開始ページ
J140
終了ページ
j140
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14882/jrds.102.0.1071.0
出版者・発行元
(一社)日本繁殖生物学会

【目的】私達はマウス初期胚及びES細胞において発現するホメオティック遺伝子Egam-1Cを発見し、その発現・機能解析を行っている。これまでに、Egam-1CはES細胞の分化に関与することが示唆されいる。また、Egam-1Cプロモーター活性には、開始コドンの上流100~200 bpの領域内に隣接して存在する転写因子Sp1の推定結合配列(GGGAGGG)が必須であることが判明している。しかし、Egam-1C遺伝子の発現調節機構は十分に解明されていない。そこで本研究では、Egam-1C上流域についてさらに詳細に検討した。【方法】はじめに、単離したEgam-1C上流域(約3kb)のプロモーター活性が内在性Egam-1Cの転写活性を反映することを確認するために、初期胚を構成する細胞のモデル細胞としてES細胞、TS細胞,XEN細胞、及び終末分化細胞である線維芽細胞株NIH3T3細胞におけるEgam-1Cの発現解析及びプロモーター・レポーター解析を行った。次に、Sp1推定結合配列に結合するタンパク質を特定するために、核抽出物を試料としてゲルシフト解析を行った。最後に、Egam-1C発現量及びプロモーター活性が各種細胞間で異なる理由を明らかにするために、核抽出物中に存在するSp1・Sp3タンパク質量をウエスタンブロッティング解析により比較した。【結果及び考察】ES細胞・TS細胞におけるEgam-1C発現量及びプロモーター活性は、XEN細胞・NIH3T3細胞と比較して高い(2~6倍)ことが判明した。ゲルシフト解析により、Sp1推定結合配列にはSp1及びSp3が結合することが明らかとなった。また、Sp1結合配列へのSp1・Sp3結合量は、XEN細胞・NIH3T3細胞と比較してES細胞・TS細胞において多いことが判明した。さらに、ES細胞・TS細胞の核抽出物中に存在するSp1・Sp3タンパク質量は、XEN細胞・NIH3T3細胞と比較して多い(3~27倍)ことが判明した。以上の結果から、ES細胞・TS細胞の核内Sp1・Sp3タンパク質が多いことに起因して、Sp1結合配列へのSp1・Sp3結合量が多くなり、Egam-1Cプロモーターが強く活性化されると考えられる。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14882/jrds.102.0.1071.0
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902288463834488
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130007022659
URL
http://jglobal.jst.go.jp/public/200902288463834488
ID情報
  • DOI : 10.14882/jrds.102.0.1071.0
  • ISSN : 0916-8818
  • 医中誌Web ID : 2010111756
  • J-Global ID : 200902288463834488
  • CiNii Articles ID : 130007022659
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000392059818

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