共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

ナイロン代謝関連酵素群の統合的利用と産業応用への展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
19K05171
体系的課題番号
JP19K05171
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

ナイロン加水分解酵素(NylC)の安定化機構とサブユニット会合について以下の検討を実施した。同酵素は、6-アミノヘキサン酸オリゴマーのみならず、ポリアミドPA6、PA66、PA4をエンド型で加水分解する。本酵素はN末端求核性ファミリーに属し、前駆体として発現後、Asn266 / Thr267間で分断されて活性化酵素となる。本酵素は同一モノマー4分子(モノマーA~D)が会合したテトラマー構造を有するが、サブユニット界面の置換により、熱変性Tm値が41~88℃まで変化する。耐熱性が最も高いGYAQ変異酵素に新たにランダム変異を導入すると、1. 自己分断されず前駆体で止まる、2. 凝集する、3. 細胞内で自己消化される等、変異体の多く(約80%)が影響を受けるという現象を見いだした。上記の変異体(凝集・自己消化型)では生化学的検討が困難であるが、分子動力学(MD)シミュレーションは効果的な検証法である。特に、適切なサブユニット会合と凝集への方向性、培養温度(30℃)でフラグメント化する要因について、結晶構造を基に変異酵素の座標データを作成後、MDシミュレーションを行う。この結果を基に、NylCの安定化に寄与する相互作用、適切な分子会合の要件を予測し、さらに、着目部位について、変異を導入し、生化学的検討から実証した。ナイロンはエチレングリコール(EG)に溶解するため、リサイクル工程で用いられている。この点に着目し、EG中、及び、EG/水混合系で、細胞抽出液レベルで検討を行ったところ、高濃度EG中でも活性を保持する変異体(A型)、EG中では殆ど活性を示さない変異体(C型)、両者の中間的な特徴を有する変異体(B型)に分類できることが分かった。そこで、代表的な変異酵素を精製後、EG中の構造変化(円二色性CD)と活性との関連性を検討するした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K05171
ID情報
  • 課題番号 : 19K05171
  • 体系的課題番号 : JP19K05171