2004年3月
The Waste Landにおけるヒヤシンス挿話での沈黙
札幌学院大学人文学会紀要
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回数 : 20
- 巻
- 号
- 75号
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 10
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 札幌学院大学
『荒れ地』は,不毛の内面世界を描いた詩である。その中で一瞬の愛の輝きが回想される場面がある。ヒヤシンス挿話である。そこで主人公が見つめた「光」と,その後に訪れた「沈黙」について,次の3点から考察した。1)ヒヤシンス娘,2)荒れ地の雷鳴,3)ピロメーラー神話と詩人。そして,以下の結論に達した。ヒヤシンス園から帰った主人公は,光の中心を見つめて,神秘的な何かを期待する。だが,沈黙があるのみで何の答えもなく,絶望してしまう。その後も主人公は,内面の牢獄に閉ざされたままであり,精神の荒廃は続く。しかし愛を共有することさえできれば,牢獄のドアを開けるチャンスがあると理解する。最終部で雷神の声が聞こえたようにも解釈できるが,そのような神秘を描いた詩ではない。T. S.エリオットは現代の荒れ地を詩に描き,そこで生きる意味を自問する。そうすることで,結局は,沈黙する神(そしてミューズ)との対話を続けていた。その結果,雷鳴を箴言として受け入れることができるようになる。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/110004685961
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN1009127X
- ID情報
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- ISSN : 0916-3166
- CiNii Articles ID : 110004685961
- CiNii Books ID : AN1009127X
- identifiers.cinii_nr_id : 9000002542602