2019年4月 - 2023年3月
ライバル雄の妨害がドライブするシオマネキ類の配偶者選択におけるシグナル系の複雑化
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
ハクセンシオマネキの低密度個体群(熊本県上天草市、小泊干潟)にて、野外で配偶者を探索するメスを追跡することにより、ペア形成に対する近隣オスによる妨害行動の影響を検討するための調査を実施した。探索メスが訪問した求愛オスの数は、平均5.8個体で、探索時間は平均11分程度であった。また最終的に選ばれたオスの巣穴周辺で生じた近隣オスによる妨害の回数は、平均0.5回であった。以前に取得した高密度個体群(上天草市、永浦干潟)のデータと比較すると、低密度個体群では、近隣個体による妨害頻度が著しく低下した。これらの結果は、当初の予測通り、近隣個体の妨害行動の頻度が密度依存的であることを示唆している。今後は撮影した映像データをさらに吟味して、妨害行動と関連するデータを抽出するとともに、同時に取得した密度や気温といった環境要因との関連性について統計解析を実施する予定である。
なお、小泊干潟・永浦干潟それぞれの干潟表面で活動する個体の密度を定量化するため、それぞれの干潟で10個のコドラートを設置し、各コドラートで5分間のビデオ撮影を行なった。現在これらの動画の解析を進めており、現段階では、当初の予測通り、永浦干潟に比べ小泊干潟で密度が低いという結果を得ている。
また本年度の調査の比較対象となる、高密度個体群(永浦干潟)での近隣オスによる妨害行動がメスの配偶相手の決定を遅延させることを記した論文を学術誌に投稿し、受理・掲載された。
なお、小泊干潟・永浦干潟それぞれの干潟表面で活動する個体の密度を定量化するため、それぞれの干潟で10個のコドラートを設置し、各コドラートで5分間のビデオ撮影を行なった。現在これらの動画の解析を進めており、現段階では、当初の予測通り、永浦干潟に比べ小泊干潟で密度が低いという結果を得ている。
また本年度の調査の比較対象となる、高密度個体群(永浦干潟)での近隣オスによる妨害行動がメスの配偶相手の決定を遅延させることを記した論文を学術誌に投稿し、受理・掲載された。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K06857
- 体系的課題番号 : JP19K06857
この研究課題の成果一覧
絞り込み
受賞
1-
2021年9月
論文
3-
Behavioral Ecology and Sociobiology 76(12) 2022年12月 査読有り筆頭著者責任著者
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Biological Journal of the Linnean Society 2020年11月6日 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
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Behavioral Ecology and Sociobiology 73(12) 2019年12月 査読有り筆頭著者責任著者