2007年 - 2008年
中世における人格理解の発展--スコラ学と神秘思想から人文主義へ
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究成果の概要:本研究では、思想史を中世から近世へと促進させた重大な原動力は人格理解と自己認識の理論にあったことを示すことが出来た。知性単一説を論破した後、後期スコラ学者は個人の理解行為と自己規定とともに自己意識の絶対的確実性を人格の特徴とした。それに基づき、人間の尊厳はルネサンスの中心概念となり、1600年前後のスペインの新トマス学派の人権論と自己意識による認識論を通してデカルト流の近世思想の基礎付けとなった。
- ID情報
-
- 課題番号 : 19320004
- 体系的番号 : JP19320004