2003年
各種不正咬合患者の最後乳歯脱落年齢と第二大臼歯萌出年齢の関連について
Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society : 日本矯正歯科学会雑誌
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- 巻
- 62
- 号
- 2
- 開始ページ
- 131
- 終了ページ
- 140
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本矯正歯科学会
永久歯の萌出時期や順序には近年多様性が示唆されているので,本研究では第二大臼歯の萌出開始時期を,最後乳歯の脱落以前となる重複型,最後乳歯の脱落と同時である同時型,そして最後乳歯の脱落以降となる離開型の3型に大別し,不正咬合を有するさまざまな患者における3型の発現頻度を男女別に比較した。昭和大学歯科病院矯正科と開業医院の登録患者の外来診療録,口腔模型,または口腔内写真より上述の3型に分類できる419名を選択し,以下の結果を得た。1.最後乳歯のほとんどは第二乳臼歯であり,上下顎の比率はほぼ同等であったが,最初に萌出する第二大臼歯のほとんどは下顎であった。2.男女の重複型の発現率は,それぞれ25.7%と34.3%であった。3.重複型における最後乳歯の平均脱落年齢は,男女とも離開型の平均脱落年齢に比べて統計学的に有意に高い年齢であった。一方,最初に萌出した第二大臼歯の平均年齢は,男女とも3型間に統計学的な有意差はみられなかった。4.男子のII級不正咬合者における重複型の発現率は,I級やIII級不正咬合者における重複型の発現率に比べ統計学的に有意に少なかった。5.重複型の過半数は,上顎第二乳臼歯の残存と下顎第二大臼歯の萌出によるものであった。以上の結果より,上顎の劣成長や下顎の過成長を多く含むと思われるIII級不正咬合者では,上顎第二乳臼歯の脱落がわずかに遅く,また,下顎第二大臼歯の萌出がわずかに促進されることで重複型の発現率が高くなることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1344-0241
- CiNii Articles ID : 110003988310
- CiNii Books ID : AA11222509