共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

筋線維芽細胞と血管内皮前駆細胞の創傷治癒作用に着目した難治性顎骨壊死の治療法開発

日本学術振興会  科学研究費補助金  

配分額
(総額)
16,640,000円
(直接経費)
12,800,000円
(間接経費)
3,840,000円
資金種別
競争的資金

歯肉線維芽細胞(HGF)の機能の発現に重要な受容体やシグナル伝達分子の細胞内局在を制御する分子のうち、ゾレドロン酸(ZA)によりその機能が阻害される細胞内輸送分子を捉えるための研究基盤整備を実施した。ZA によりその細胞内局在が影響されるTGF-β受容体輸送体であるRabファミリーを制御するAddicsinとArl6ip1の細胞内動態を観察するための実験基盤の樹立を試みた。ZAが細胞内輸送分子の局在を変化させるのに適した刺激時間や刺激濃度設定のためには、ZAでその細胞内局在の変化させる分子を可視化する実験系が必要である。ZAでその局在変化が確実に変化する分子としてAddicsinとArl6ip1をそのモデルとし、酸化ストレスを未分化間葉系細胞に与えた際のAddicsinとArl6ip1細胞内局在を調査した。未分化間葉系細胞は上述の歯肉線維芽細胞に分化する細胞であり、本実験のための条件設定用の細胞とした。未分化間葉系細胞は酸化ストレスの増加に伴い、その細胞分化の方向性を骨芽細胞から脂肪細胞に変化することが知られているが、その細胞内酸化ストレスに反応してAddicsinとArl6ip1が働くと考えられている。我々は、この細胞の細胞分化の方向性を変化させる酸化ストレスの強度を明らかとした。現在、この酸化ストレス下でAddicsinとArl6ip1の細胞内動態を観察しこれらの分子の細胞内局在の変化捉えるべく調査を進めている。今後、この実験系にZAを与えた際にAddicsinとArl6ip1細胞内局在がどのように変化するのかを捉え、細胞内輸送分子の局在を変化させるために適したZAの刺激時間や刺激濃度を設定する。この刺激条件で、TGF-β刺激時にHGFにおいてその細胞内局在が変化するAddicsinとArl6ip1をはじめとした細胞内輸送分子の動態がどのように変化するのかを捉えたい。